数学系YouTuberを救いたい

多くの反響をいただいた昨日の記事に引き続き、数学系YouTuberを再び紹介したい。また、このような貴重なコンテンツを作っていただける方々に対する支援についても考えていきたい。昨日紹介した方々はリアルの人間が登場するなり話しているものが多かったが、今回はVtuberやゆっくりなどを用いて数学コンテンツを作成している方々が中心となる。

●ロダン – バーチャル数学徒

チャンネルURL https://www.youtube.com/channel/UCzdR-dZtWT2_6N6p9sJh3yw

Vtuberとして女性キャラの姿で現代数学のトピックを解説しているチャンネル。声は普通に男性なので一瞬ギャップにびっくりするかもしれない。現時点でコンテンツは必ずしも多くないが「あの100年予想が解決するかも!?」のタイトルのシリーズでは未解決問題についての解説を続けている。スライド形式となっておりわかりやすいので、話の流れをざっと理解するのに向いていると思われる。

●曲直瀬おめが。

チャンネルURL https://www.youtube.com/channel/UCFY0EBEEKkXltp11gMfst0A

かなり幾何学がメインになったチャンネル。多様体論の解説などを念頭に置いているものであると思われる。動画は1時間の授業のような形式となっており、定義を考える気持ちなども説明されており極めて丁寧な内容である。幾何学を専攻する学生は一度見ていただきたい内容。

●Alcia Solid Project

チャンネルURL https://www.youtube.com/channel/UC2lJYodMaAfFeFQrGUwhlaQ

フォロワーから教えていただいたかなり大手のVtuber。基本的には応用数学よりのようだが、IUT理論の解説などもやっていたりとコンテンツ自体は幅広。他分野の方で苦手意識があるが数学をどうしても使う必要があるという人にはとっておきのチャンネルだと思われる。

●gest N

チャンネルURL https://www.youtube.com/channel/UCvZSwTzNkSZQvUX9Ktpar7g

ゆっくりを用いて現代数学を開設するチャンネル。分野の方向性としては一見数論方面にもみえるが、Stone双対性なども取り扱っており興味深い。ゆっくりのコント風に説明が進んでいくのでとてもコミカルで分かりやすい。数学科の学生でなくても興味を持てる内容だろう。

●240が教える数学

チャンネルURL https://www.youtube.com/channel/UCJb1bywggU5Vlbb4R5zPZrw

こちらはVtuberではないが昨日ご紹介いただいたチャンネル。イプシロンデルタなど数学科としてはかなり基本的な内容が現在の中心だが、かなり説明は丁寧。数学科に入ったが、最初の方で躓いている人にとっては助かる内容だと思われる。今後のコンテンツ拡充に期待。

●相転移P

チャンネルURL https://www.youtube.com/c/4429sekine/

数学系というよりは物理系で、ゆっくりでもなければVTuberでもないが、皆さんご存知の相転移P氏のチャンネルである。そういえば紹介していなかったので、改めて宣伝したい。

●数学系YouTuberに貢献するには

さて、昨日から紹介してきたYoutubeだが、実はこれらを収益化する事は容易ではない。私も自分のチャンネルを開設しはじめて知ったが、実はYoutubeはそもそも「チャンネル登録数1000人、公開動画の過去1年の総再生時間4000時間」を突破しないと収益化プログラムの条件も満たさないのである。ここで、昨日から挙げたYoutuberのチャンネル登録数を列挙したい。

Masaki Koga 4.02万人 / AIcia Solid Project 1.17万人 / 龍孫江の数学日誌 in Youtube 2000人 / 数学ボーイZ / SUGAKU BOY Z 1170人 / 梅崎直也 1060人 / ゆる圏 YouTube 794人 / 曲直瀬おめが。 748人 / 相転移P 361人 /ロダン – バーチャル数学徒 289人 /gest N 82人 /240が教える数学 54人 / 底辺数学徒の備忘録 32人

ランキングのようになってしまったが、そのような意図はない。KogaさんとAlcia Solid Projectが圧倒的であるが、高校数学や応用数学で充実したコンテンツを有しておりその影響が大きいとみられる。一方で、純粋数学をコンテンツのメインに据えるとなるとどうしても視聴者層の対象が狭く、収益化最低ラインである1000人にも到達していないのが実態である。

我々のような一般市民が簡単に出来る貢献としては、まずこれらのコンテンツ提供者のチャンネルに登録し、動画を再生することが挙げられるだろう。少なくとも(各人が収益化を目的にしているかは定かではないが)収益化ボーダーの1000人を突破できるように市民の方々の協力を仰ぎたいところである。是非とも、このページをご一読いただいた数学ファンの皆様には、上記の数学系Youtuberのチャンネル登録による支援をお願いいただきたい。なお、相変わらずコンテンツは1件の猫動画しかないが、我々のチャンネルにも気が向けば登録いただけると幸いである。

◎追記:こちらに一覧をまとめました。